仕事で学んだこと

老人ホームの選び方のポイントを紹介します【老人ホームの元営業が解説】

老人ホームの選び方のポイントを紹介します【老人ホームの元営業が解説】

この記事では、老人ホームの選び方について紹介しています。

私は6年ほど、老人ホームの営業として働いていました。

いろんなお客様と出会ってきましたが、老人ホームへの入居を考えたときに、どのように施設を選べばいいのかわからない人も多いです。

少しでもいい施設と出会うためにも条件を決め、見学をし、比較をすることが重要です。

きっと、たくさんの施設からあなたに合った施設が見つかると思います。

老人ホームの種類

老人ホームと一言で言っても、種類は様々です。

ここでは、代表的なものを5つ紹介します。

代表的な施設

  1. 特別養護老人ホーム(特養)
  2. 老人保健施設(老健)
  3. 有料老人ホーム
  4. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  5. グループホーム

なぜなら、利用する方の状態が幅広く、それぞれにメリットとデメリットがあります。

そのため、その方の状況に合う施設を選ぶことが重要になってきます。

それでは順番に説明していきます。

特別養護老人ホーム(特養)

特養は介護度が高く、常に介助が必要な方が優先して入居する施設です。

看取りや医療行為にも対応している施設もありますが、看護師や介護職員の人員が足りてない施設もあります。

メリット

・看取りにも対応しているので、介護度が高い方の終の棲家になる。
・居室のタイプにもよるが、有料老人ホームよりも利用料が安い。

デメリット

・現在は要介護3以上の方が受け入れ対象になっているので、要介護2以下の方は入居できない。
・有料老人ホームよりも安いため、人気があり待機者が多い。
・入居に時間がかかることが多い。

老人保健施設(老健)

老健は基本的には要介護1以上の方が利用する施設です。

目的は在宅への復帰なので、特養などのように終の棲家という形ではありません。

医療、看護対応はしっかりとしているので、医療行為のあるかたでも安心して利用することができます。

メリット

・医療、看護体制がしっかりとしているので、医療行為のある方も利用することが可能。
・リハビリに力を入れているため、在宅に復帰するための準備ができる。

デメリット

・他の施設に比べて、入所できる期間が短い。
・リハビリが必要ない人は退去する必要がある。

有料老人ホーム

有料老人ホームはいろいろな種類があります。

60歳以上で自立の方から要介護5まで入居できますが、費用や設備などは施設によって異なります。

メリット

・いろいろな施設があり、60歳以上自立の方から要介護5まで受け入れられる施設がある。
・多くの施設があるので、自分の条件に合う施設を見つけられる可能性がある。

デメリット

・他の施設よりも利用料が高額になる場合がある。
・施設によって差があるので、情報収集が大変。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住とは高齢者向けの賃貸住宅のことです。

バリアフリーになっているので、高齢者でも安心して過ごすことができます。
「サービス付き」とは介護サービスがついているということです。

メリット

・住宅ということもあり、利用者に合わせてサービスを組み合わせることができる。
・特養や有料老人ホームよりも外泊や外出など自由がある。

デメリット

・入居者によって利用するサービスが異なるので料金に差がある。
・施設によって介護サービス等に差がある。

グループホーム

グループホームは要支援2以上の認知症の高齢者が利用する小規模の施設です。
家事なども分担して行い、「ユニット」という9人定員のグループで生活します。

メリット

・地域密着型なので、住み慣れた地域を離れずに生活することができる
・各施設によって、介護や看護の体制に差がある。

デメリット

・地域密着型なので、施設と同じ地域に住所がないと入居できない
・基本的に身の回りの世話が自分である程度できることや、共同生活を送るだけの力が必要

老人ホームへの条件を考える

老人ホームへの条件を考えることはとても大切なことです。

絶対に譲れないことでもいいですし、これだけは妥協できるという点も考えておくといいと思います。
なぜなら、すべての条件を満たせる施設はほとんどないからです。

老人ホームへの入居を考えるときの条件は人によっていろいろです。

私が営業としてかかわってきたお客様の考え方も人によって違いました。

  • とにかく金額が安い施設がいい
  • 医療行為があるから、看護師がいる施設がいい。
  • 看取りが対応している施設がいい
  • 面会にたくさん行きたいからできるだけ家から近い施設がいい

お金さえかければ、すべての条件を満たす施設は見つけることができるかもしれません。

でも、ほとんどの人は難しいと思います。

「お金も余裕があるわけではなく、入居者本人の貯蓄、年金をメインで使い、足りない数万円を何とか家族で払う。」

このような方がほとんどです。

そうなると、すべてを満たすために入居金数百万、月額何十万という施設に入居することは困難です。

どこかで妥協できることは妥協し、どうしても重視するところを満たしてくれる施設にお金をかける必要があります。

家族や親せきでしっかりと話し合い、重視するポイントを考えていきましょう。

老人ホームの見学をしましょう

気になっている施設は最低1回は見学をしましょう。

なぜなら、チラシなどの情報だけではわからないことがたくさんあるからです。

チラシにはいろいろなことが書いてあります。

それは料金や、部屋の間取り、施設へのアクセスなどです。

施設まで遠くて見学することができない方もいます。

でも、できれば見学に行ってほしいと思います。

チラシだけではわからないことがたくさんあるからです。

例えば施設の雰囲気です。

・ヘルパーさんの表情
・入居者さんの雰囲気
・実際に生活しているスペースの状態や設備
・居室の様子

などなど、実際に見てみないとわからないことはたくさんあります。

見学をすることで、入居した時のイメージの誤差を小さくすることは、ご家族様だけでなく、入居者様にも大切なことです。

施設への入居は、ただお部屋を借りることではありません。

入居された後の未来にお金を払うことです。

少しでも安心して楽しく生活することができるように、しっかりと情報を集めて考えていくことが大切だと思います。

なので施設を見学するときは設備だけでなく、施設全体の雰囲気も確認してみて下さい。

老人ホームは比較しましょう

施設を決めるときは、いくつかの施設を比較した方がいいです。

なぜなら、いい施設はたくさんあるからです。

施設見学をしたら、それぞれの施設を比較してみましょう。

例えば、料金は安いけど家から遠い施設と、料金は高いけど家から近い施設があったとしたらどちらを選びますか?

きっとそれぞれの家族によってどちらを選ぶかは変わると思います。

料金を取るか、家からの距離をとるのか、もしくは見学に行った時の施設の雰囲気をとるのか。

どのポイントを重視するのかによって変わります。

私の体験談を紹介します。

私が営業として、見学対応をさせていただいたお客様がいました。

施設のメリットとデメリットをしっかり伝え、納得されて入居となりました。
しかし、半年後に退去となってしまいました。

原因は、施設までの距離が遠く、面会に頻繁に来ることができなくなってしまったからです。
ですが、根本的な問題は、入居前に施設の比較をされず、即決されたからです。

ご家族様は料金面では、まったく問題はなかったと言っていました。

しかし、施設から自宅までの距離が遠く、片道1時間20分かかっていました。

面会に定期的に行きたいと思っていたのですが、遠いのでだんだんと重荷に感じてしまったとのことです。

知り合いから情報を集め、他社ではありますが、そのご家族様の要望に合う施設をいっしょにみつけて転居されました。

このような状況は、入居を考える段階で、施設をいくつか比較することで、解決することが可能でした。

しかし、病院から退院するまでのタイムリミットが近いことや、私の施設をすぐに気に入ってしまったので、比較をされませんでした。

営業としては即決していただけることはとてもありがたいことですし、うれしいことです。

ですが、少し視野を広げていろいろな施設を見てみてください。

本当に大事にしているポイントを満たしてくれる施設がきっと見つかるはずです。
時間があるのであればいろいろな施設の情報を集めて比較してみることをおすすめします。

老人ホームのまとめ

今回の記事では老人ホームの種類、メリット・デメリット以外に老人ホームを選ぶ時のコツを書かせていただきました。

  • 老人ホームへの条件を考えましょう
  • 老人ホームの施設見学をしましょう
  • 老人ホームは比較しましょう

以上の3点です

1番ダメなのは、入居者様もご家族様も無理をしてしまうことです。

無理せず、みんなが幸せに過ごすことができる施設を探してみてください。

その時に今回の記事を参考にしていただけたたらうれしいです。

  • この記事を書いた人

かずしげ

中央大学▶老人ホームの営業▶『まいにち種まき』運営▶天理教の教会長 ●読書・ゲーム・食べ歩きや散歩が好きです。

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